試行錯誤の連続でした。
準備の段階で様々な本を読んだ結果、軽登山靴か、スニーカーを勧めるケースが多く、悩んでいました。当時まともなスニーカーを持っていなかったため、せっかくなので登山専門店に相談することに。
正直に「四国の歩きお遍路」と目的を告げて勧められたのは某ブランドの登山靴でした。今となってはこれがこのショップが代理店となっているために勧めたことがわかりますが当時はそのようなことがわかるわけもなく、きつく感じたにもかかわらずそのまま購入してしまいました。
別項で述べている準備のための行程で、激痛とマメのためこの靴を早々に見限りました。「やはり登山靴は向かない」そう思ってしまったことが後々苦しむことになります。
【メリルのカメレオン・ゴアテックス】
この反省のもと、「スニーカーのように気楽に履けて防水加工された専門的なもの」というトレイルランニングシューズにたどり着いたのは自然な成り行きでした。
登山の専門店に相談するとまた登山靴を勧められるのではないかという恐怖から、自己流に調べて購入したのが、メリルのカメレオン・ゴアテックス(CHAMELEON
II STORM GTX XCR)です。
これが結局、お遍路の相棒の第一号になりました。メリルのカメレオンというシューズは同名で形のまったく違うものが多数あるようですが、当時私が購入したものはカラーバリエーションが豊富なもので皮の素材がほとんど使われていないものでした。
靴底はさすがにスニーカーのように柔らかくはなく、ビブラムソールで勝手に「これで行ける!」と思い購入したものです。
このシューズは第二十七番神峯寺先の安芸市で底に穴が開きました。(この行程では予定を切り上げ、実質、リタイアしました)


【メリルのカメレオン その2】
第2号は引き続きメリルのカメレオン(CHAMELEON WRAP GORE-TEX XCR)。第一号と同じものは避け、今回は合成皮が回り込んでおり、通気のためか(デザイン上もあるでしょうが)楕円の穴が何か所も開いているものです。
底のビブラムソールはやや湾曲しており、第一号のほうがよりフラットです。しばらく使用していましたが、このころになるとトレイルランニングシューズの機能に疑問を感じるようになっていました。ソールは山道にはやや半端でかつ滑りやすく、アスファルトの国道・県道では足の裏が腫れるようにとても痛くなり、半日もしないうちにまったくショックを吸収しないように感じられたのです。
この前年から軽登山を始めており、「富士山登山用」として登山店で買い求めた登山靴が山道はもちろん、アスファルトの道を延々と歩いても苦にならないことに気が付き始めており、内子町近辺で「この靴はダメだ、次回はあのシューズで歩いてみよう」と決めました。

【キャラバン】
その登山靴が第3号となるキャラバン社のシューズ。やや古参の日本のメーカーのトレッキングシューズで足首はくるぶしよりやや上に来る、いわゆるミドルカットのゴアテックス登山靴です。ソールは固く、足首もやや窮屈で(登山ではこれが役にたつのですが)、平地を歩くのにためらわれましたが、まったく問題なくソールのショックも以前のトレイルランニングシューズとは比較にならないくらい「へたり」が無く、結局このまま最後まで結願することができました。
意外なのは手で触ると固く感じるソールがアスファルトでもさほど問題なく機能することとソールのヘリが少ないことです。
メリットはこれ以外にもあって、ミドルカットであるため雨の場合にゲイターとの相性がよく、足首からの雨の侵入がなくなったことです。デメリットはゴアテックスとは言え、布地の面積が多く、通気性がやや悪いことです。


(総括)
自身の経験からは登山専門店で、「将来富士山にも登りたいのでちゃんとした登山靴を探している」と相談して、足の指がどこにもぶつからないサイズのゴアテックス防水加工の施された靴を購入するのがベストと考えます。
大きめ靴の場合は指先が頻繁に靴の先端部に当たってマメが出来易くなる懸念がありますが、対処法は足首の紐をしっかりと締めることです。こうすると足が靴の内部でずれないので指先が当たることがなく、楽に歩行できます。この場合、ゴアテックスといえども発汗から来る足の蒸れからくるマメの発生を少しでも防止するため最低でも1時間半に一回は靴下まで脱いでの休憩(大休止)が必要でしょう。
一方、幾つかの専門書、インターネットではアスファルトへの衝撃吸収を考え、通気性のよいスニーカーを薦める記載も多くあります。私は試したみたことが無いのですが、一理あると思います。ただし、必ず遭遇するであろう雨の日に靴下まで雨水が進入することになるでしょうからその対策をどうするかがポイントになるかもしれません。
登山をする皆さんは山道をスニーカーで歩くのかと不安に思うかもしれませんが、遍路のルート上、ゴロタ石ばかりの登山道のような箇所はほとんどなく、その点は大丈夫です。
試したみたことはありませんが、ゴアテックス加工のスニーカーもあるようなので、両方を兼ね備えた靴として選択肢に入れてもいいかもしれません。