文字通り、「お経を納める」ことを意味するので、あらかじめ写経をした上でこれを持参して納めるのが本来の形のようです。(そのため各札所にはちゃんと納札入とは別に納経箱・写経奉納箱がある)
実際には写経の代わりに、その場で読経をすることがー般的で今回の遍路で文字通り写経を納めている方は全く見かけませんでした。
読経の代わりに写経を納める方法は参拝の時問短縮になるため、何回か自宅で写経を行い持参したこともあるのですが、写経は実際には時間がかかりますし、集中して作業しないと心がこもったものになりませんので、早々に写経方式は断念し、読経方式に切り替えました。
お経は暗記する必要はなく、お坊さんも(暗記していたとしても)教本を広げて唱えるものだそうですので、教本通りに読経すればいいのですが、遍路用の経本にはたくさんのお経が含まれています。最低限、般若心経を唱えればいいかと思いますが、私は以下を唱えました。
・開経偈(かいきようのげ)
・般若心経(はんにやしんぎよう)
・ご本尊真言(ごほんぞんしんごん)···本堂のみ、大師堂ではご本尊はありません。
・光明真言(こうみようしんごん)
・ご宝号(ごほうごう)
・回向文(えこうもん)
要するに最低限+αといったところでしょうか。
バスのツアーで回られている皆さんは先達さんが主導して経本のフルコースを読経されているケースが多いようです。(団体さんなのでー斉に合唱されると自分の読経がどこまでだったかわからなくなることがあります。。。)
本当のお坊さんでも真言宗の熱心な信者でもない我々が人前で読経をするという行為は最初は非常に抵抗がありますが、そのうちに慣れてきます。
遍路は格式ばった形式にとらわれない(受け入れる側の心が広い)というのも特徴かと思いますが、納経帳ヘの記帳は「お参りの後」がマナーですので、般若心経だけでも唱えてはいかがでしょうか。