第十三回 四日目

 


※日誌の写真には位置情報(Exif情報)が付いています。移動時の目安や宿・食事場所の確認などにお役立てください。


2013年6月11日(火)

7:42
旅館を出発。
めずらしく足の調子がよく、マメもできておらず最終日としては上出来。

 


7:50
琴弾八幡宮を再び通過し、そのまま財田川沿いを延々と歩く。


川辺を歩くルートは北側・南側の両方あるのだが、岡田屋のオヤジさんの「南側のほうが車は少ない」というのを信じて南側を選択。

7:58
道幅の狭い土手を延々と歩く。


そのうちクルマも通れなくなり、草も生え放題の細い道に変わっていく。


8:48
目的地の本山寺の五重塔が見えてきたら橋を渡る。


8:53
第七十番本山寺着。はでなところは無いが広くて立派な寺。本堂は国宝。


天気は梅雨時にもかかわらず快晴で非常に気持ちがよい。


9:28
本山寺発。


9:52
うどん県の大きな看板。
この三豊市は要潤の出身地だそうだ。大きな看板である理由は、ここが高速道路出口の突き当たりだからである。


10:16
県道脇の旧道を歩く。天気は徐々に快晴へ。


10:41
あまりにも暑いので高津神社という神社の倉庫(?)前のベンチをお借りして休憩。


11:17
川沿いの道を北上し、弥谷寺への遍路道に入る。


途中の八丁目大師堂というところに足湯があったがこの暑さでは休憩する気にもならず、パス。



12:03
ちょっとした山道を登る。


その後、長い階段があり、ここを登ると参拝者向けの休憩所・売店がある。


ジュースを買って、引き続き歩く。


12:14
山門に到着。


ではあるが、まだまだ階段は続く。


12:20
やっと第七十一番弥谷寺に到着。
と思ったら、本堂はこれより更に上にある。


12:38
参道というより岩にへばりついたような地形を登ると、ようやく本堂に到着。



12:42
下って大師堂に向かう。
岩と一体化したかのような建物が大師堂と納経所を兼ねている。
ここは土足厳禁で、せっかくなので大師堂では正座してお参りをする。この建物を大師像を一周するように移動すると、奥に岩に刻まれた奥の院があり、荘厳な雰囲気。
ここは建物の一部がガラス張りで岩に刻まれた仏様を見るようになっていたり、奥の院は岩の洞窟が建物と一体化していたりするのだが、大雨が降った場合はどうなるのだろうか。


納経が終わって一息ついているとどこかで見た顔が。岡田屋でおやじさんに絡んでいた男性遍路氏だ。例の階段を登り終えた後で息が苦しそうだ。「この階段はキツイね。」というので、「本堂はこの更に上ですよ」と教えたところ、「えー?!行かない!!」との返事。本当に行かないようである。


13:22
ひとしきり山を下る。

 


下界はカンカン照りだ。


13:53
国道沿いの食堂に入ってうどんを頼む。
おにぎりはサービスのようだ。お接待だろうか、もともとセットなのだろうか。
しかし、このうどん、いわゆる讃岐うどんじゃない。まあ、トラックドライバー向けの食堂であって、本格的なうどん専門店ではないようなので仕方が無いが、香川県民は我慢できるのだろうか。


14:37
第七十二番曼荼羅寺着。
途中、ちょっとした坂があるのだが、バスツアーお遍路さんとすれ違った。向こうは自分を見て、口々に「あらー」、「偉いわね~」などと驚いている。
この天気で歩きの格好が相当にしんどく見えるようだ。リュックが大きいだけで大して重くも無いのだが。


15:10
第七十三番出釈迦寺着。
この二箇所は非常に近い。
参拝後に、以前から予定していた奥の院・捨身ヶ嶽禅定の遥拝所へ向かう。予約している電車までの時間が気になってきた。


15:57
畑の中を抜けて、ただひたすら舗装された道を登る。


途中、クルマ止めのチェーンがあり、ここから先は歩くしかない。これがとにかく急坂で人が歩くことは考えられていないような坂道だ。


16:13
遥拝所着。


高い場所なのでさすがに風景が美しく、快晴ということもあって瀬戸大橋がはっきり見える。


この遥拝所のあった場所が元来の出釈迦寺だそうだ。
この上に弘法大師が幼年期に祈りのために飛び降りたが釈迦如来と天女が現れて抱きとめたという伝説の場所がある。
垂直の鎖場と聞いていたので、時間の関係もあってそのまま引き返すことにする。


16:31
すると、登りで見かけた道路整備のおじさんが、遥拝所まで登ってきており、「岩倉大師は見たかね?」と声を掛けてくる。
聞くと、鎖場の下に岩倉大師という身を投げたとの同じ後利益のあるお堂があるのだという。「場所が分かりにくいから皆気がつかないんだよ」とのこと。


奥の院の右手を潜ると果たしてその場所があった。鎖場も確認できた。



16:36
このおじさんとは帰りもずっと一緒。色々と教えてくれた。
曰く、この坂は昔は遥拝所までは直接クルマでは行けなかった。今も例祭の日以外は途中で止めてある(だからチェーンがあったのだ)。
だからここの箇所は道路が新しい、同じ時期に植えた苗木がこんなに大きくなった。。。
等々。地元の方でこの道路を整備するのが仕事、またはボランティアのようだ。毎日登っているのだという。


17:24
出釈迦寺を後にして善通寺駅を目指す。
今回の参拝はこれで最後なので甲山寺と善通寺はパスして直接駅に向かって歩くのだが、遍路道を外れているためクルマはビュンビュンと通るは、時間は気になってくるはで非常に気持ちが落ち着かない。
あげくに、先ほど遥拝所まで行ったのに、なぜ、身を投げた場所まで登らなかったのか、行けばよかったと繰り返し考えてイライラしてくる。


18:07
途中善通寺近辺で完全に道に迷って人に道を尋ねつつ、善通寺駅到着。
結局余裕があったんじゃないか。なぜ岩場までいかなかったのかと後悔の念が再び襲う。
とにかく、無理なスケジュールは禁物といまさらながら感じた。


東京駅23:30着。自宅に着いたのは0時を回っていた。

歩いた距離:29.4km