※日誌の写真には位置情報(Exif情報)が付いています。移動時の目安や宿・食事場所の確認などにお役立てください。
2012年11月24日(日)
起きると外は雨。
朝食までに何回も外を確認するが曇りが晴れるわけでもなく、かといって晴れる気配でもない。ポンチョは必須だろうと覚悟を決める。

7:26
雨模様の中を出発。
県道147号に交差したら、左折してひたすら147号をまっすぐ歩くのみだ。

7:42
人通りが少ないなか、正面からバイクに乗った男性が向かってくる。
避けようとすると停止して手にしていたペットボトルの紅茶を渡された。
お接待だ。
紅茶は普段自ら購入しないので、昼食用に横峰寺で飲むのを大事に取っておくことにしよう。

8:20
雨はやや小降りにはなってきているがポンチョはまだ脱ぐほどではない。
147号も高速道路と交差した以降はアルファルトの山道といった趣きとなってくる。

9:23
喫茶店てんとうむし。
期待はしていなかったがやはりオープンには早い時間のようだ。店構えは想像していたより新しい建物で少々意外に思える。
最近改築でもしたのだろうか。そもそも店自体が新しいものなのか。いずれにせよ、相当に奥深い場所にある喫茶店なのでどんなオーナーなのかが気になるところ。

9:59
県道はここで終了。
塗装もアスファルトではなくなり、ここからは完全な登山である。

意外なことに駐車場があり、東屋・トイレも完備。普通の登山道の入り口のように整備されている。
テント派のお遍路さんはここで一泊する人もいるようだ。

登山道入り口手前には湧き水があり、次から次へと車で水を汲みに来る人がいる。名水なのだろうか。

10:14
遍路協力会の遍路地図に「増水注意」とあるのはここのことであったか。雨なので気にはなっていたが渡れないほど増水してはいない。
引き返すことになったらどうしようかと気になっていたが、この調子では大丈夫だろう。

10:24
今年に入って、本格的な登山に数回行っているためか、それほどの遍路ころがしには感じなかった。

丁石に刻まれた数字が減っていくのを心のよりどころにして登っていく。

11:26
途中の祠で小休止。
辺りは視界があまりきかず雲の中にいるのは明らかだが、雨そのものは降っていないので、ここでポンチョをしまい出発。

11:47
第六十番横峰寺着。
この山門は歩き遍路のみを迎え入れる場所にあり、自動車での参拝者は直接大師堂に向かうことになる。

見晴らしはいいはずなのだが、視界はほんの数十メートルしかなく、本殿から見た社務所ですらその端が雲に包まれている状態。
結局、ここを含めて遍路ころがしと呼ばれる標高の高い焼山寺、鶴林寺、太龍寺、神峯寺の全てが雨、又は雪で視界がほぼ無いというめぐり合わせになってしまった。
簡単な登山用の携行食とお接待でいただいたペットボトルの紅茶を簡単な昼食として出発。

12:29
下りになっても、依然として雲の中。
奥の院の星ヶ森にぜひ行きたかったのだが、登り口が分からず結局あきらめてしまった。後になって調べると、車道と本堂への道の接続箇所にある立ち入り禁止の鎖の張られた道が奥の院へのルートだったようだ。

13:05
下山道は所々尾根道があり、緩やかな山道で歩きやすい。

天気がよければよりすばらしかったと思う。

14:47
山道が車道に交差してからしばらくして紅葉が密集するすばらしく美しい場所に到着する。明らかに遍路ではない一般の人々も犬をつれて散歩なぞをされている。
すぐに標識があり、この一帯が香園寺奥の院であることが分かった。

紅葉はまさに見ごろでありこの天候を除けばちょうどいい時期に来たことに感謝。

15:10
ここから再度高速道路をくぐって街中に向かう。
今朝もくぐった高速道路を横峰寺経由でUターンして再度街中に向かうということになる。

15:31
第六十一番香園寺着。
噂に聞く鉄筋コンクリートの「大聖堂」に本堂と大師堂が入っている。火災予防のためかロウソク・線香は本堂の外(一箇所)となっており、結果、この寺は本堂と大師堂分を合わせて1回で済んでしまうことになる。
ただし、大聖堂内で本堂と大師堂のエリアは一応別れているため読経は他の寺と同様に各々に行う。少々分かりにくい。
伝統的な木造建築ではない本堂はやや異様ではあるが、もし火災等で再建する場合を考えると、伝統的工法・材料等での本堂建設よりコスト的にはこちらのほうがより合理的なのかもしれないと思ったりする。
予定では香園寺の後はそのまま宿に向かう予定だったが、時間に余裕があるので、六十二番も今日中にお参りすることにする。
もう少し香園寺でのんびりしてもよかったが、再度小雨が降り始めており、タバコを吸う余裕もなかったため(灰皿は納経所の前の屋根の無い場所)、次に向かうこととする。

16:35
第六十二番宝寿寺着。香園寺とは対照的な小さなお寺。
国道沿いにあり、また一部の社殿が工事中のためやや落ち着かない。小雨は止まず、再びポンチョを着るか迷う。宿も近いため結局雨具無しで出発。

16:41
ビジネス旅館小松に到着。
ちなみに看板には大きく「ビジネス旅館」とあり、よく見ると丸いロゴのような形で「KOMATSU」とある。これが読み取れず一瞬ここでいいのか悩んでしまった。

昨晩とは異なり宿泊客は10名程度はいるようで風呂の順番待ちがやや混雑していた。

食事はこれまた昨晩とは一変し、豪華牛なべで普段なら到底一人では食べきれない量が出る。
同じ食卓のベテラン遍路さんいわく、「ここは一年中これ。夏でも鍋」だそうだ。せっかくの豪華ディナーなのでビールを注文する。

歩いた距離:27km