※日誌の写真には位置情報(Exif情報)が付いています。移動時の目安や宿・食事場所の確認などにお役立てください。
2009年9月21日(月)
6:34
出発。
種間寺を目指して歩く。

地図上ではほぼ一本道を歩き、途中から県道沿いをひたすら歩くはずなのだが、道しるべに従うと意外にもくねくねと曲がった道が多い。
といっても他の寺と違い、種間寺は非常に数多くの看板が途中で何箇所もあってまず不安になることは無い。
どうも、県道が地図で見るよりも実際は相当にカーブしているようだ。ここまでの間、高知屋で一緒だった、高齢の女性二人組と付かず離れずという感じでほぼ歩くペースが一緒である。
先方は道端の花がキレイとか何とか朝から非常に元気でこちらが休憩しているとあっと言う間に抜かれる。こう言っては何だが、老人パワー全開で圧倒される。

7:53
第三十四番種間寺着。
結局例の二人組とはほぼ到着時刻は一緒だった。ここは境内までの距離が長く、駐車場も広い。

帰り際に駐車場横の売店で「ニッキ水」なるものを発見し、購入。
店員さんは「ツアーガイドのかた?」と聞いてくる。そうは見えない筈なのだが。
歩きですと答えると端数をオマケしてくれた。色は何色もあるが味は一緒だとのこと。「ゆっくり飲んでね」と言われ、ベンチで飲む。
味は非常に甘く、ニッキの味はアタマの中がガンガンするほど強烈である。ビンを返す際にそのことを店員さんに伝えると、家では味が濃いのでこれを入れてとニッキの味の羊羹を作るのだという。
確かに調味料としてもおかしくないほどの濃い味で少なくともコーラのようにごくごく飲むものではない。

9:17
清瀧寺を目指して歩いていると途中細いきれいな川沿いになる。
白くて大きい鳥が身じろぎもせず川の中にたたずんでいる。小さな橋から眺めていると看板があり、この橋は「涼月橋」という由緒のある橋のようだ。

9:28
仁淀川を渡り土佐市に入る。
しばらく、川の土手を延々と歩く、非常に暑い。川を眺めると長いさおでつりをしている人がいる。
自分もつりをするので、見ていると何かが釣れたようで、しばし見入ってしまう。
10:00
土手を左に折れ、市内に入る。
遍路地図では清瀧寺何本かのルートがあるようで、どの道を行くかで迷う。

標識を頼りに歩くが途中の三島神社で完全に道を見失う。
この神社はとても大きく、境内では何かの祭りなのか、多くの人の声が聞こえるのだが、どうしても遍路地図ではこの神社が見あたらない。
仕方なく道沿いにまっすぐ行くと、バイパスのような太い道に出る。行きつ戻りつしても清瀧寺までの標識は無い。近所のコンビニで休憩して、携帯のGPS機能で自分の居る場所を確認し、高速の出口が近くにあるのは分かったが、どうにも判然としない。そういえばこの機能を使ったのは第一回目以来である。
一旦は間違えて逆方向に南下するが、途中で気が付き、地図に無い道を北上する。

途中で本来の道に合流し、無事北上する道に出る。

10:59
第三十五番清瀧寺着。
迷ったこともあり、予定より時間がかかった。

この寺は小高い丘の上にある。
なんとなく、平地のお寺を想像していたので、これも意外であった。

11:38
帰路、山道を歩いていると、背後からクルマが追い抜きざまに急停止し、運転席のウィンドウが下がる。
何事かと思うと、初老の男性が「青龍寺まで乗っていきませんか」とクルマの接待である。歩きで行くと言って断ると、そうか、そうだよなと言いそのまま立ち去って行った。
恐らく断られることを予想していたのだろう。クルマ接待の誘いはこれが初めてである。

11:49
清瀧寺に向かう時に目を付けていた、うどん屋「きよたき」着。
入り口に列が出来ており、嫌な予感がするが、中はさほど混んでいない。セルフ店なので購入時のカウンターのみ混んでいただけだった。

冷たい肉うどんと、コロッケを注文。美味。

12:48
帰路、今度こそ迷わないように慎重にへんろシールを探して歩く。
途中から延々と用水路に沿った道が続く。この用水路は何の変哲もない、コンクリートで出来たもので、よく見ると空き缶などが捨てられていてお世辞にも手入れがされているとは言えないが、水が非常にきれいで自分の歩く影が写るたびに何らかの魚がさっと集団で移動するのが確認できる。
20cmぐらいはあるだろうか。いったい何という魚だろうか。

13:49
県道39号を延々と南下すると、塚地休憩所に到着。
小さな池があり、家族連れがみず遊びをしている。トイレも新しく、へんろ小屋もある。中ではネコがすやすや昼寝中である。しばし休憩の後、県道から右手に折れ、山道に入る。

14:07
塚地峠着。

木々に覆われて見晴らしはさほどでも無いが遠くに海が確認できる。
もう少しで海沿いの道に出るはずだ。

14:32
平地に出た。
農道と思われる道を歩くと、「安政地震の碑」なるものがあった。安政時代に作られた貴重なもののようだ。
看板には龍の絵が印刷されており、この後も何回か標識等で目にすることになる。青龍寺の龍をモチーフにしているのだろう。

14:45
県道23号(黒潮ライン)に出る。遠くに宇佐大橋が見える。目的地は近い。

15:00
宇佐大橋を渡り始める。下を見ると非常にきれいな海で、プレジャーボートを出している人、浜辺でキャンプをしている人などが確認できる。
渡った先に広い駐車場があるようだ。

15:33
青龍寺の入口着。
この手前のホテルの従業員が非常に愛想がよく、笑顔で挨拶してくれた。ここも遍路には親切なところのようで、入り口に足湯まで用意されている。宿泊はここでもよかったかもと一瞬考える。
この近辺に高校野球や横綱の朝青龍で有名な明徳義塾がある。

15:44
第三十六番青龍寺着。

緑と三重の塔の赤の対比がとてもきれいである。
今日の宿泊場所は奥の院の近くなので、納経所で奥の院への行き方を教わる。

16:32
奥の院・独鈷山不動堂着。

鳥居から奥は土足厳禁とのことで靴を脱いでお参りする。
このまま戻って、山道を途中で右折すると今日の宿泊所への近道となる。


16:38
国民宿舎土佐着。
汗だくだったためか、フロントでタオルを貸していただく。ここは、タオル・バスタオルの貸し出しは有償なので、お接待ということだろう。

部屋は本来は二段ベットで8人まで入れる部屋を4人で使用。
全員がお遍路さんで1名以外は歩き遍路である。

風呂に入ったのち、夕食までの間、ビールを片手に屋上で夕涼み。
自分以外には誰も来ないが太平洋が一望でき、最高の眺めである。

夕食は歩き遍路用のもの(=一般の夕食付き宿泊料金より安い)だが、天ぷらも付き、豪勢なものである。

歩いた距離:30km