※日誌の写真には位置情報(Exif情報)が付いています。移動時の目安や宿・食事場所の確認などにお役立てください。
2009年7月22日(水)
7:00
今日は朝食を食べゆっくり出発。
朝食時に歩き遍路の皆さんは口々に「今日、神峯寺参拝ですか?昨日済まされてないのですか」と言われる。
どうやらこのメンバーで今日参拝するのは自分だけのようだ。やっぱり今日に延ばしたのは失敗だろうか。リュックは宿に預かっていただき、出発。

7:10
畑の間の道をてくてく歩く。
荷物が少ないのはありがたいが、実際の山の麓まで相当に距離があるようだ。あの目の前の山の上に小さくポツンで見えるのがお寺だろうか。あそこまで行くのか。。。

7:17
本格的な登り道。
焼山寺のような道を想像していたのだが、8割程度が車道で、つづら折れの車道をときどきショートカットする形で急な斜面を登ることになる。要するに旧道の大半は消滅し、大半が車道に取って変わられているわけだ。
しばらくすると正面から例の外人遍路さんと男性の二人組みが車道を歩いて下ってくる。昨晩はどこに宿泊したのか聞くと、昨日、神峯寺の到着が遅かったのでお寺に事情を話すと一泊させてもらったのだという。お互いの健闘を祈り、分かれる。


8:11
第二十七番神峯寺山門に到着。
雨は本降りである。思えば、これで、徳島の焼山寺から連続して、全ての山寺は雨にたたられたことになる。

海が一望。標高約400m。
本来は地上の風景が一望できるのだろうが、ぼんやりとしか見えない。しばらく天気を窺ってみたが止む気配はない。

9:05
帰り際に鐘つき堂の横の「神峯の水」をペットボトルに入れ、出発。
雨はさほどの大降りでもなく、ポンチョで十分しのぐことが出来るが、靴が「きゅ、きゅっ」と奇妙な音を立てる。
水でも染み込んだのだろうか。今思えば、これがこの後に起こる事件の予兆とも知らずに。

境内から山門を望む。あとは下るだけだ。

10:09
浜吉屋到着。預けていたリュックを背負って準備。
いったん足元を点検したが、靴下はまだ濡れていないようだ。女将さんは「結局止みませんねえ」といい、出発前に冷たいお茶を勧めてくれた。

11:24
「道の駅大山」到着。
靴下がびちょびちょに濡れていたので、ここで靴下を交換。休憩で、靴下まで脱いで裸足になるのは初めてである。
濡れた靴下は、チャック付きの袋(ジップロック)にしまう。予備を持ってきてよかった。

12:00
国道を避けて、延々と続き防波堤を歩く。踵が痛い。

13:00
安芸市に入る。

下水道のマンホールに有名な「野良時計」が刻まれている。野良時計そのものは遍路道から少々外れるので見学は断念

市役所前の観光情報センターの前で休憩

13:50
国道沿いの「かもめ薬局」で湿疹、かゆみ止めの薬を購入。
汗をかいたままのT-シャツを着続けているせいか、一昨日から上半身が湿疹に覆われ、痒くてしかたがなかったのだ。
薬局では色々な試供品をおまけでいただいた。これもお接待かも。

14:05
阪神のキャンプ地で有名安芸球場前。ここから再び防波堤を歩く。

14:24
ベンチがあったので、休憩。
目の前は小さな漁港である。また、靴を脱いで休んでいるとふと靴の異変に気が付く。なんと、かかと部分が無くなって、亀裂が出来ており内張りが見える。
水が染み込む理由はこれだったか。これで、疲れる訳も分かった。かかとのゴム部分が無いのだから。
しかし、靴って、300kmで擦り切れるのでしょうか。通し打ちの皆さんはどうしているのでしょう。
気持ちが一挙に低下した中を出発。気のせいか、ますますかかとが痛い気がしてきた。


14:39
防波堤から国道沿いに「野菜アイスクリーム」の看板を見つけ、国道に下りて入ってみる。こ綺麗な店だ。

色々な種類があったが、野菜は注文せずにゆず味のシャーベットを注文する。
間食をするのはめったに無いのだが、無性に食べたくなった。

14:51
看板があり、この防波堤はこのまま「安芸自転車道」になるようだ。
といっても平日のこの時間は、自転車も数台見かけたのみで、歩きの人もご近所の方が散歩している程度である。
やはりクルマ社会なので、休日のレジャーはともかく、平時の移動手段に自転車は使わないだろう。

しばらく行くと、両脇に人家が点在してくる。
この海側の土地は所有者がいるのだろうか。ひょっとして不法占拠?ともかく、草花がいっぱいで味気のない国道よりはマシでしょう。天気はだんだんと晴れて来た。

しばらく歩くと、国道とは並行しているものの、自転車道はやや海岸沿いに分岐し、樹木で鬱蒼としたエリアになってくる。

15:21
八流山極楽寺到着。
自転車道沿いにあり、岬にあるお寺である。本堂はなく、お堂が民家の縁側のようだ。
国道からは見えない位置なので、立ち寄るのは歩き遍路ばかりだろう。

15:57
接待所発見。
蒸し暑いなか入る気にはならなかったが、中はイラスト、折り紙等でいっぱい。
お遍路さんの格好に見立てた人形が5体並んで座っており、やや不気味だがよく見ると愛嬌があるようでもある。

16:25
この辺から防波堤は無くなり、海岸線と同じ高さの海沿いの道になってくる。
人気は全くない。普段は砂浜でつりをするので、ここでは何が釣れるのかと、ふと想像する。

しばらく行くと「海水健康プール」という施設がある。
結構な人が泳いでいる。そうか、もう学校は夏休みなんだ。

17:19
夜須市に入る。ホテルまではもう少しだ。

17:39
「リゾートホテル海辺の果樹園」に到着。
フロントに確認すると予想通り洗濯施設は無いとのこと。ここは今回の行程ではもちろん一番立派な宿泊場所だが、ホテルは洗濯が出来ないのが歩き遍路としては悩みどころだ。
部屋に入って着替えると右足に無数の水ぶくれが出来ていて驚く。無理をして歩いたことと、ウォーキング用のスパッツの圧力で、足首が水ぶくれのように腫れ上がっていたのだ。
明後日の天気は雨との予想もあり、靴の状態も考え考えたあげく残念だが今回は明日で切り上げることに決めた。

部屋はこちら。結構なお値段でした。

夕日。雲がゴジラのよう。

夕食は予約していた海鮮バーベキューで、魚貝、肉などがまさにテンコ盛りで豪勢である。
風呂も大浴場でのんびりする。リゾートホテルなのでクアハウス等の施設があったが、水着が無いと入れないそうだ。なんだか勿体無い気がしてきた。お遍路さんには不釣合いだったかも。
就寝前に、水ぶくれと小さなマメを消毒した針で処理し、昼間購入した湿疹薬を塗りこむ。明日は大日寺には何とか行くつもりである。大丈夫だろうか。
この日の夜地震があったことを憶えているが、幻のようにも思えた。翌日、土佐山田駅のタクシーの運転手さんと立ち話をして、「地震があったね」と言われたので本当の地震だったことがわかった。

歩いた距離:32.5km